入社1年ほど経ってから面接試験で問われたことの真意がやっと分かるのだそうです。面接官がこだわっていた例えば協調性やリーダーシップという本当の意味が、この会社ではこういうことを意味して会社のシステムを支えているということが見えてくるのです。
これが面接試験の時に理解できていれば、もっと面接官と共通の理解の下にピントのあった話ができて、将来について具体的なヴィジョンを語り合えたことでしょう。
面接試験で一番重要なことは、面接官と共通の話題について共通の認識を共有できるかということではないでしょうか。もちろん100%は無理ですけれど、近づくことはできます。在籍する社員(できれば複数)から話を聞いたり、会社から発信される情報を分析することで。

この試みが不足している受験者が多いし、自分勝手な解釈で会社の考え方を誤解している受験者がどれほど多い事か。
例えばセミナーで訪れた本社の壁に“グローバリゼーション Globalization”と書いたポスターが沢山貼ってあれば、自分の常識で判断せず、社員の人に聞いてみることです。そうすれば、国際化や国際競争力強化などといった一般的な、漠然としたことではなくて、生産拠点の海外シフトにより急激に海外向けの仕事が増えているとか、海外企業との提携で人事交流が盛んになっているとかグローバリゼーションの中身が分かります。
一歩も二歩も面接官の認識へ近づいていくことになります。
この前提の上に、自己PR、志望動機をしっかり組み立てていかねばなりません。
くどいですがもう一度言いますが、相手の会社の事情を考えない自己PR、志望動機はナンセンスです。いかに話力でカバーしても、面接官の納得を得る事はできないでしょう。
この点は、肝に銘じておいて欲しいと思います。

話の組み立ての前に
話の組み立て(例)
        
面接:話題の組み立て
あくまでこれは一例です。もちろん面接は、面接官が質問をして受験者が答えるという形式で進みますので、このように長い話を一方的にしゃべるわけではありませんが、一度このようにストーリーに組み立てておく必要があります。実際の面接では、面接官の質問により真中からや後ろのところから話がスタートするというようになるかもしれませんが。

とかく面接というと、マナーや技法に目が行き勝ちのようです。もちろん必要なことではありますが、あまりにもそちらにばかり目が行くと肝心の入社志望を訴えるエネルギーが削がれる心配があります。
面接の目的は、会社の役に立つ人材かどうかの見極めることが第一の目的であることを常に念頭においてください。
つまり、面接官の関心は志願者のやりたい仕事(=募集職務内容)と志願者とのマッチング判定に集中しています。志願者がやりたいと思っている仕事と会社の募集している仕事がずれていれば、話がかみ合いません。実は、面接の現場でこれが一番多いのではないかと思われます。募集職務についてあまり深く考えていない人が多いのです。
例えば営業というと、どの会社の営業も同じと決めつけているふしがあります。業種、取り扱い商品、営業スタイルなどでずいぶん異なります。その違いを認識し、またその会社の営業のこだわりを知らずに、自分の何がその仕事に向いていると言えるのか、ということです。

自分をよく知って、また会社と職務をよく知って、自分が職務にうまく適合すると論拠を挙げて説明できる人が、面接官から見れば志望動機が最もわかりやすい人です。目的がわかれば、人は他人を納得することができます。
業界や会社のことを良く調べて理解していることをまず伝える。応募の真剣さを示すと共に、会社をよく分かった上で、自分がその応募者としてふさわしい人物であるということを堂々と伝えたい。会社の現状認識や働くに当たっての心構えなどについて意見を述べ、面接官の反応を見ながら、認識の差があれば修正する。
自分にとっての関心やつながりなどから応募に至るきっかけを話す。
応募職務の内容と対比させながら自己PRを展開する。特に、応募職務にとって必要と思われる自分の能力や特徴については、エピソードをからめて印象的なアッピールをする。自分の資質、能力から自分の適する仕事として、募集職務を志望するに至った経緯を説明する。職務内容の理解とその遂行にどんな能力が必要でどんな性格の人物がマッチするか自分の考えを述べる。
自分ならこんな風に仕事をやってみたいとか、会社や仕事への期待、人生設計など将来のヴィジョンを述べて人間性をアッピールしたい。