意欲満々という表情、態度、受け応えや更には堂々と「意欲だけは誰にも負けません」と口に出す学生も多いけれど、面接官の多くが学生の意欲の無さを指摘しています。このギャップは何なんでしょう。
学生の表現する意欲が、面接官にはただのハリキリ程度にしか映っていないようです。何人かの人事マンから聞いた結果、学生の意欲は面接に挑む意欲であって、入社後の仕事への意欲とは見れないという意見でした。
面接官が一番望む意欲とは、もちろん仕事に対する意欲である。志望動機として仕事への期待や自負を語り、将来のヴィジョンを見せてくれることを望んでいます。
しかし、学生の目的は採用試験に合格することで、入社すると目的を達成することになる。志望動機も当然合格することを目的としたもので、入社後のことになると漠然としたものが多い。
これが、学生が表現する意欲と面接官が評価しようとする意欲の認識の違いです。
志望動機に関して、そもそも面接官が一番知りたいことは「何をしたいのか」という入社目的である。それに対して、「なぜ入りたいのか」という入社動機を色々並べ立てても、面接官は本当の入社の目的を量りかねます。目的が分からないと、人は納得がゆかないものです。つまり、最近の学生は何を考えているのかよく分からないというセリフになるわけです。
『志望動機の訴え方』にも書いたように、志望動機は対象となる具体的な仕事を想定しないと意味がありません。どんな仕事かやってみないと分からないと言えばそれまでですが、自分なりに情報を集め、人の話を聞き、実際に見学すると、具体的イメージを描けるぐらいにはなれるものです。
仕事のイメージが出来上がると、自分の特徴や能力を生かすシーンが描けるようになります。
「5年後の自分」という題の小論文を書かされることの意味がお分かりですね。

将来ビジネスシーンで人にどう接するかは、面接での応対や会話などから想像することができます。この人への対応力と会話の能力は、面接で評価する項目の中では一番入社後の予測がつくものです。というのは、人は人との接し方、会話の仕方などはあまり変わりませんし、大学生という年齢ではある程度完成されたものであると見られるからです。
また、人への対応力・会話力は面接での評価項目になっているのと同時に、自己PRや志望動機を面接官にプレゼンテーションする原動力でもあります。
つまり、対応力・会話の能力は、面接の結果にダブルに影響して来るということになります。
対応力や会話の能力の重要性が叫ばれる理由が分かってもらえるでしょうが、この能力を磨くのはなかなか一朝一夕ではできません。
よく、アルバイトを長年やって人扱いに慣れているから対応力があるという自己PRを聞きます。慣れることは確かに有効な要素ではありますが、基本は人に対する姿勢です。自分の方から能動的に働きかける意識とスタイルをどう持っているかが問われます。その上で、会社が期待している「人との接し方、会話の仕方」との適合の度合いを見られことになります。
会社が期待している「人との接し方、会話の仕方」と学生の想像している会社での「人との接し方、会話の仕方」とのギャップは大きいものがあります。また会社によってもずいぶん差があって、人事の人を通じてその会社が期待している「人との接し方、会話の仕方」を感じとらなくてはなりません。「人との接し方、会話の仕方」は会社の風土に根ざしたものだからです。
面接官がフランクに聞いてきたから、それに合わせるような口調で答えたら面接官がイヤな顔をした、という時に臨機応変な軌道修正ができる対応力も当然必要です。
コミュニケーション能力が不足だと思われる方は、練習を積んでください。相手の話を早とちりしたり、自分の話をよく聞き返されたりする方。話が回りくどい、逆に説明不足だと言われる方は要注意です。
いつも話をするグループとは違う年上の相手といわゆる大人の話をすることが必要です。ある話題についての自分の考えを複数の人に説明し、感想をもらうことなどは大変参考になります。話題はもちろん「なぜその会社に入りたいのか」という志望動機でもかまいません。
揚げ足を取ったり、相手を非難しないこと。議論をするのではなく、会話がうまく弾んでいくように努めることを念頭において、会話を楽しむ気持ちが必要です。
対応力・会話の能力を磨くことが第一
面接は、基本的に面接官が質問をして学生が答えるという形式なので、話題は面接官が一方的に決めるように思われがちです。しかし、実際は学生の答える内容によって、その後の面接官の質問も変わって行きます。面接官が関心を持った内容は更に新たな質問を生んで、その話題が更にいろいろと展開して盛り上がって行くということになります。反対に、答えてしまえば終わりで、そこから発展していかない内容だと、質問は機械的になってしまい何の印象も残らなかったということになってしまいます。
面接官は、一人一人の学生に基本的に訊くべき質問事項は用意していますが、その人物の特徴を捉えられると思えば、ある部分を集中して訊こうとします。じっくり話を聞いてくれた内容は、面接官の記憶に残り、いい評価に結びつくことが多いことは事実です。
ということは
、面接官に印象づけるためには、学生は自分がPRしたい、自分が誇れる部分を面接官にぜひ訊いてもらえるようにもって行かなければならないということです。
では、早速作戦を立てましょう。ぜひ訊いてほしい話を決めます。2〜3つほどは用意してください。そして、それぞれの話について、話の切り口をいくつか考えておきます。
話の切り口とは、一例を挙げますと。例えば大学の部活の運営の難しさと新しい活動への試みの苦労についての話をするとします。これを、部活動方針が賛否に割れた時の反対者への説得と調整に努めた粘り強い性格という切り口で話すのか、自分の担当した総務という仕事で様々な契約を結ぶ当事者になり約款・契約についての認識を深めたという切り口で話すのか、先輩や同級生達が何度も試みては失敗していた新しい活動を三度目の挑戦で何とか軌道に乗せたチャレンジ精神という切り口で話すのか、ということです。
つまり、一つの話に色んな入口を作っておくということになります。
面接官の質問に応じて、性格の特徴を尋ねられれば「粘り強い性格」で部活の話をし、興味のある仕事と尋ねられれば「契約に係わる仕事」として部活の話をする。自分のセールスポイントを尋ねられれば「チャレンジ精神」として部活の話をする。これでどんな質問でも、自分の誇れる部活での成果を話すように持っていくことができるわけです。
これで、用意した訊いて欲しい話が、訊いてもらえなくて無駄になることはありません。
では次は、用意した話が盛り上がるように組み立てを考えましょう。
緊張と時間の制約を受けながら面接官の前で話をするためには、話す内容をよく整理してきちんと組み立てておかないとなかなか話せないものです。ここで注意したいのは、話を作文にしてしまってはダメということです。文章になっての良し悪しではありません。面接官へのインパクトの有無が全てです。
新聞記事を参考にしましょう。見出しでインパクトを与え、本文は簡潔でメリハリがあります。
見出しのところは、いきなり結論を言った方が良いと思います。続いて本論は簡略に述べること。いわゆる前置きは要りません。聞き苦しいものです。
また、台本を作っての丸暗記は絶対ダメです。聞かされる方として、これほど苦痛を感じるものはありません。もちろん自分で考えた文章を読んでるのでしょうが、インパクトが全く感じられないものなんです。
主なセンテンスだけを覚えて下さい。大丈夫です。うまく話せるものです。その都度話の順序が変わってもかまいません。面接官はあなたの話を聞くのは始めてなのですから。
ストーリー(話の組み立て)がしっかりできていれば、話が色々な方向へ飛んでも対応できます。面接官が理解してくれていることを確かめながらゆっくり話してゆけばよいのです。このような話し方が好感をもたれることは間違いありませんし、話に説得力を持たすことができるのです。
話題づくり、話の組み立ての工夫
意欲はどう訴えるか
       
面接:臨む準備